風化しやすい(すぐに変色したり、サビが出る)北木石が、再び
市場へ出回っておりますのでご注意ください。
作業中の業者さんは、おそらく建築材として用いられるのだと
信じていますが、約20~30年前に採掘された北木石が今まで
売れ残っていたのには理由があります。
それは、当時の大部分を占めていた北木石が、地表近くの層
或いは、鉄分を多く含んでいる層の石だった為に、直ぐに変色
してしまうことに起因します。
ご覧の通り、周囲は赤茶けた石でも、切削した直後の面は、
とても綺麗な白色をしているのです。これが曲者!(苦笑)
天然の石ですから勿論、水を吸いますし、風化はつきものです。
それが、何十年もかけて変色するなら、侘び寂び的な経年変化
として受け容れられるでしょうが、一年も経たずにとなると・・
安価な外国材の流入により、北木石(に限らず国産材全般)
は建築材として使用されにくくなりました。そこで、活路を墓石
用途に見出したのですが、上写真の有り様でクレームに・・
弊社採石場では、地表から約20メートル、層の悪い所では、
30メートル分以上もの石を、実は廃棄しているのです。
先代(現・会長)が、リスクを冒してまで海面下深くより良質な
原石を採掘してきたからこそ、北木石の最後の砦として生き
残ることができたのだと感謝しています。
冒頭の、過去に採掘された北木石が、現代で流通していくのは、
非常に喜ばしい事である反面、ブローカー役をしている業者が、
モラルハザードに陥らないよう、消費者の皆様に正確な情報を
提供していく必要があると思うのです。