昨日から東京出張しています。写真は、出発時の岡山空港です。
フライト時刻が1時間以上遅れるほどの濃霧でした。この日は東京も
終日、雨が降りっ放しでしたが、本日は打って変わっての晴天です。
東日本大震災の影響で、北木石でできている靖國大燈籠の一部が
破損したという連絡を頂いたのが約2ヶ月前。第一報は、工事を受け
持つスーパーゼネコン(=清水建設)さんからの電話でした。
本社正面に向かって左側の燈籠には、陸軍のブロンズ・レリーフが
埋め込まれており、その中に、乃木将軍の雄姿が刻まれています。
その対面の右側は、海軍のレリーフが埋め込まれた燈籠で、同じく
世界的賞賛を受けた英雄で在る、東郷元帥の姿が見受けられます。
『陸の乃木・海の東郷』を肌で感じとれる数少ない現代SPOTです。
余談ですが、東郷元帥のお墓は、我らが北木石でございますっ!
約5年前の北木石資料映像(非売品DVD)制作時に、多大なる
お力添えを賜りましたのが、写真の楠林さんでした。セクション
こそ変わられていましたが、お元気そうで何よりでございます。^^
また、それ以前の(小生が東京在住時)、北木石に関する知識が
あまりにも乏しかった頃、初めて靖國神社へお伺いした時のこと
です。当時も真摯に対応頂きまして、書庫から、六法全書並みに
分厚い『靖國百年史』なる書物を引っ張り出してこられ、大燈籠や
大鳥居が北木石でできていることや、鶴田蓑輔の名がその中に
記されていることを確認させて頂いた事もありました。
楠林さんから、この度の修復工事を管理されている、樋口課長
をご紹介頂きまして、修復に必要とされている寸法(2m立方)の
原石が、現状では供給不可能の旨を、お詫び申し上げました。
幸いにも、大鳥居の方には被害がなかったそうですが、今後の
我々の使命として、再び、大材を供給できる態勢を整える準備
が必要であることを学ばせて頂きました。
明治中期~昭和初期にかけての近代建築物や神社の鳥居は、
多くが【北木石】でできています。当時から、大材が多量に採れ
た上に、物流網(海運)が整備され、納期が守れたからです。
日本の近代化に大きく貢献した瀬戸内の島ならではの役割を
今後も意識しながら、伝統を守り続けていきたいと思います。
そして、何故、唯一の核被災国が、原発に注力していったのか、
何故、大国相手に戦争をしなければならなかったのかということ
も考えながら、【日本人の心】を大切にしていきたいと思います。