北木石の匠 blog

記録

エンドユーザーと採掘者の距離感とは?

本日は、京都からのお客様でした。ご夫婦で、弊社サイトより
北木島ツアーにお申込み頂きましての御来島でございます。
墓石をご検討されているとの事でしたので、事前にメーカーの
展示場見学をオプションで追加させて頂きました。九州出張に
続きまして無理をお願いした齋藤課長、GW休暇中だったにも
関わらず、快くご対応頂きまして、誠に有難うございました。
北木島に到着するや聞こえてくるジェットバーナー音。流石に
石壁の反響もあり、耳栓なしでは、近づくことができません。
京都からのお客様①.jpg
それでも、様々な角度より、石切り作業の様子を観察されようと
する、その真剣な眼差しからは、素材選びに妥協しない二人の
熱い思いが伝わってきます。
素材候補は、弊社原石以外に、瀬戸白・瀬戸赤・白石・万成の
計5石種で、いずれもが岡山県産でございました。^^
お伝えしたのは、そのどれにも採掘者の思いがあり、山だけで
なく市場とも格闘する苦悩があり、その積み重ねに歴史がある
ということ。【山師】にしか理解できない苦労があるのです。
京都からのお客様②.jpg
最近では恒例になりつつある、弊社小割工場での石割り体験。
先ずは、ご主人から。ゲンノウ(石を割るハンマー)を振る際の
ポイントは、握る手の拳と、踏み込む足の置き場に注意が必要
ということ。ケガの原因になるからです。
京都からのお客様③.jpg
続けて奥様。心配そうに見入るご主人ですが、奥様のゲンノウ
の振りの方が迫力あったりもします。女性にお見受けする事が
増えた、思い切りの良さですかね。^^;
ネットを通じて様々な情報を入手されたお二人は、独自で石の
知識も身につけていらっしゃいました。それは、我々採掘者へ
直接、問い合わせて来られるお客様に共通する、最近の傾向
でもあります。
長年、墓石や葬儀ビジネスは、ブラックBOX的な仕組みにより、
不透明な価格設定が、罷り通ってきた時代が続きました。他の
業種より遅れながらも、近年の某雑誌による業界批判や、供養
の心を踏みにじられたユーザー自らの告発によって、石材業界
にも変革の波が押し寄せてきたと実感している今日この頃です。
これからの採掘者の使命それは、一般消費者の皆さんに直接
ジャッジしてもらえる仕組みを作ることだと思っています。
かつて、業界内で最大の栄華を誇り、それが風前の灯となるに
至った北木産地だからこそ、業界の悪しき慣習に警鐘を鳴らし、
ガラス張りで透明なビジネスの一助となれば幸いに存じます。


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